
点頭てんかん(ウエスト症候群)はどのように診断されますか?

ウエスト症候群(点頭てんかん)は、繰り返し生じる“てんかん性スパズム(点頭発作)”との特徴的な脳波所見“ヒプスアリスミア”から診断がなされます。まずは詳しい問診(発作症状の確認)と診察をおこない、その後で脳波検査をはじめとする各種検査を行い確定診断します。
てんかん性スパズム(点頭発作)は、しゃっくりのように繰り返す、「ピクッ」とする一瞬の発作で、てんかん発作の正式な分類では、1981年:記載なし、2001年:全般発作(スパズムと記載)、2006年:全般発作, 焦点発作、2010年:未分類:おそらく焦点性, 全般性あるいは不明なもの、2017年:焦点性,全般性,不明の全てに記載、となっており歴史的にもその時代の知見によって変わってきていることがわかります。
また“ヒプスアリスミア”とは、大小のゆっくりとした波(徐波)と時間の経過とともに変化する多様な鋭い棘のような波(棘波)が入り混じった、一般に「混沌とした」脳波所見をいいます。最近では、その脳波異常の中に速い振動(oscillations)の嵐(storm)が存在し、その振動が神経細胞の電気的な発達を阻害(発達退行)することがわかってきています。