
点頭てんかん(ウエスト症候群)はどのように治療しますか?

ウエスト症候群(点頭てんかん)の治療には、内科的治療(抗てんかん薬・ACTH治療・その他)、食事治療(ケトン食治療)、てんかん外科手術(焦点切除術・脳梁離断術・迷走神経刺激療法など)の3つがあります。詳しくはそれぞれの項目を参考にしてください。また基礎疾患のある場合は、その基礎疾患に応じた専門的な治療を積極的に考慮する必要があります(例えば、結節性硬化症ならビガバトリン、皮質形成異常ならてんかん外科手術など)。
ウエスト症候群(点頭てんかん)で比較的よく使用する抗てんかん薬は、ビガバトリン、バルプロ酸、ゾニザミド, トピラマート、ベンゾジアゼピン系(ニトラゼパム, クロナゼパム, クロバザム)、ビタミンB6、ラモトリギン、レベチラセタムなどがあります。その他の薬剤を用いることもあります。抗てんかん発作薬の効果はどの薬剤も約10-50%程度と言われています。どの薬剤にも、薬疹や眠気など共通した副作用が生じる可能性がありますが、それぞれの薬に特有の副作用もあります。
ここでビガバトリン(サブリル🄬)について説明します。ビガバトリンは、点頭てんかんにのみ使用できる抗てんかん発作薬でその効果も比較的高いといわれています。しかし、他の抗てんかん薬にはない副作用に注意が必要です。それは、約1/3の患者さんで不可逆的な視野狭窄が起こるといわれています。視野狭窄の発現頻度は、内服期間の長さや累積内服量(内服量×内服期間)の多さに伴い高くなるといわれており、定期的な眼科検査が義務付けられています。また、薬の処方には患者さんの書面での同意が必要で、「サブリル処方登録システムに登録された登録医療機関において、登録された患者さんに対してのみ行う」という特別な流れにのる必要があります。