質問者

ケトン食とはどういうものですか?

ふくろう先生

ケトン食療法は糖質制限の食事をおこなうてんかん治療です。欧米などではてんかんの治療法の一つとして確立している方法です。

人間の体は、炭水化物が不足すると、脂肪を燃やしてエネルギーを得ようとし、その過程でケトンができます。飢餓状態でケトンが増加しますが、人為的にその状態を起こすわけです。「FIRST DO NO HARM(邦題:誤診)」という映画で有名になった治療です。

これがてんかん発作に効くメカニズムは、よく分かっていませんが、点頭てんかんを含め幅広いてんかんが治療対象になります。

具体的には、糖糖・炭水化物を減らし脂肪を増やした食事を中心にして、お米、パンなどはできるだけ食べないようにして、卵、豆腐、肉、魚などのたんぱく質が主体の食事にします。効果を高めるためにカロリーや水分を制限する場合もあります。

砂糖についても代わりに人工甘味料を使用したり、食用油を添加するなどの工夫をします。そうすることで、脂肪が分解された際に産生されるケトン体が、脳の神経細胞に作用し効果を発揮するのです。

乳幼児期や経管栄養のある場合は、医師を通じて入手できる特殊ミルク(ケトンフォーミュラ)というものがあります。これはいろいろな料理にも利用できます。