質問者

病変・焦点切除術とはどんな手術ですか?

ふくろう先生

病変・焦点切除術は、発作の原因となっているところ(てんかん焦点)を切除したり、てんかん焦点が広汎に存在する場合は広く脳を離断(てんかん焦点を切除、摘出するのではなく、正常な脳組織との連絡を断ち切る)する手術です。

半球離断:
片側半球に広範な病変がある際に半球全体を離断します。反対側の視野障害が生じます。反対側の手足の麻痺が出ますが、リハビリによってゆっくり改善することが多いです。術前の麻痺の状態、年齢によるので主治医としっかりお話しください。

前方離断:
片側半球の前方(前頭葉)に病変があると推測されるが、それ以上病変が特定できない場合に行います。一次運動野より前を離断する方法です(下図)。利き脳であれば術後、判断力・計画的な行動、言語機能の低下が生じることがあります。前方離断後に後方離断や半球離断へ進むこともあります。

後方離断:
片側半球の後方(頭頂葉、後頭葉、側頭葉)に病変があると推測されるが、それ以上病変が特定できない場合に行います。一次感覚野より後ろで離断する方法です(下図)。術後、両手を使った作業の低下が生じることがあります。反対側の視野障害が生じます。後方離断後に半球離断へ進むこともあります。

手術は、1回の手術と2回に分ける手術があります。1回の手術ではそれまでの検査結果や術中の脳波を用いて「病変・焦点切除術」のみを行います。2回にわける手術では、1回目の手術で脳の表面にシート状の電極や串状の電極を留置し手術を終了し、翌日以降個室でいつもの発作を記録したり、手足を動かすのに重要な場所を特定します。それらの検査結果をもとに1−2週間後に「病変・焦点切除術」を行います。

2回に分ける手術を検討する場合は以下のとおりです。

(※参考)利き脳とは