
てんかんがあることで発達への影響はあるのでしょうか?

てんかんのあるお子さんでは、発達を考慮した治療が大切です。
以下に、発達に影響する4つの要因について提示します。
お子さんがこれらのケースにあてはまるかどうかは、主治医の先生に相談してください。

1. てんかんの原因(基礎疾患):
てんかんの原因には、生まれながらの脳の障害、頭部外傷、脳炎・脳症など様々なものがあります。これらは、てんかん発症の有無に関わらず、発達に影響することがあります。発達促進には、発達状態をチェックし、結果に合わせたちょうどよいリハビリテーション・刺激・学習を行うことが重要です。本人の状態に合わせて、リハビリテーションセンター、療育園、児童発達支援センターなどを利用するとよいでしょう。
2. てんかん自体:
てんかんの中には、点頭てんかん(ウエスト症候群)やレノックス・ガストー症候群など、てんかん自体が発達に影響する「発達性てんかん性脳症」という一群があります。また、強い脳波異常が高頻度に見られたり、発作の回数が非常に多い場合には、脳の機能の一部が低下することもあります。様々な治療を組み合わせて、粘り強く治療を行っていくことが大切です。
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(専門的な内容が含まれます)
3. お薬(抗てんかん発作薬)の副作用:
薬の副作用で、眠気、ふらつき、気分の変容、衝動性、集中力や記憶力の低下、反応緩慢化などの症状がでることがあります。薬の調整で良くなることが多いので、新しい薬を始めた後や薬を増やした後に気になることがあれば、主治医に報告してください。
4. 過度の行動制限:
発作を恐れて過度に児の行動を制限することで、子どもの成長・発達に必要な運動能力や社会生活能力が形成されにくくなったり、児の自我や自信が育ちにくくなったりすることがあります。「発作が抑制されてから」ではなく、「発作があっても」、どのように工夫すれば参加できるかという視点で考えることが重要です。