Vol15. 小児青年てんかん勉強と交流の会「OHANA」(1)

今回は「OHANA応援企画」と題して、2021年6月に行われたOHANAとコラボした内容です。2016年に始まった小児青年てんかん勉強と交流の会は家族の願いがいっぱい詰まった会です。OHANA代表の清水政彦先生をゲストにお呼びしてたっぷり聞いてみましょう。 

OHANAとは? 

ゆかち 本日のゲストは清水政彦先生です。それでは早速OHANAとはどんな活躍をされている団体なのか教えてもらってもいいですか?  

清水 簡単に言うと、てんかんの勉強の会みたいな感じです。てんかんの子ども、あるいはてんかんの子どもたちと一緒に暮らしている親が中心ですけど、てんかんのいろんな情報を取って交流しようという活動をしています。 

ゆかち そのOHANAの中で、清水先生は世話人の代表をされているとお聞きしましたがいかがですか? 

清水 元々てんかんの情報は取りにくいというのは自分もてんかんを持つ子どもを育てながらの経験談なので、そこの問題を何とかサポートや解消したくて主治医の先生などに「より簡単にてんかんの情報が取るにはどうしたらいいのかな?」というのを相談していて、その結果、OHANAの活動を始めることになりました。 

ゆかち もう先輩パパとしてめちゃくちゃ頼りになりそうですね。

清水 てんかんの情報が欲しくてもなかなか取れないし、インターネットだとしてもどのサイトを見れば正確な情報があるのかも分からない。勉強会などがあって聞きにいこうにも、やっぱり病気の子どもを連れ歩くのは途中で発作が起きることはものすごく抵抗もあるし、うちの場合は特にきょうだいが「つまんない、退屈する」と言うと、これはまたどうやっていったらいいのかな?というのを悩んだ結果が今のOHANAの形につながっています。 

ゆかち 世話人は清水先生の他にどんな方がいらっしゃるんですか? 

清水 他にも今、世話人をしてくれているのはみんな子どもさんたちがてんかんや何らかのてんかんに関わってる人たちばかりなので、どういうふうなサポートが欲しいか、どういう情報が欲しいか分かってる人たち、6人から7人が参加してくれています。

ゆかち 結構いらっしゃいますね。

清水 それぞれ家族の構成も病気も全然違うので、いろんな視点からああだこうだアイデアを出しながらやってるのが現状です。

OHANAの具体的な内容をきいてみよう! 

ゆかち それではOHANAの会の具体的な内容を聞いていきたいんですけども、講演のパートと交流会のパートに分けられているんですよね? 

清水 そうですね。2部に分けていて、前半の講演の部分は本当に医者などの専門家の先生にてんかんにまつわること、例えばてんかんの発作の分類であるとか、薬のこと、あるいは発達のこと、手術のことなど、そういったいろんな医療のテーマでしゃべってもらっています。  

後半の交流会の部分は、それとは少し離れた療育の部分やリハビリの部分、あるいはどういう学校に行くか…地域の学校に行くのか、支援学校に行くのか。デイサービスはどういったところで利用するんだとか、あるいは家庭での工夫…けがをしないようにとか、誤飲しないような工夫など、いろんなことを相談していくパートに分かれています。  

ゆかち てんかんだけとテーマに聞いていると「てんかんだけのお話かな?」と思ったら、それだけではなく生きていくためにどういう選択をしていったらいいのかという交流ができる会はすごくいいですね。

清水 むしろ後半の交流会のほうが大事と言ったら変ですけど、てんかんの知識があってもやっぱり生活をしていかないといけないので、どんな学校に行くか、どんな地域に住むか、あるいはきょうだいたちのサポートをどう合わせていくのかとか。そういうことのほうがむしろ大事だと思うので、OHANAの売りはどちらかというと発作を起こしたりしても全然心配なく講演に参加できるという部分と、それから医学的なこと以外の部分の知識、情報を得られるのが売りだと思っています。 

ゆかち てんこもりの会ですよね。 

清水 結局、自分たちがてんかん児の子どもを育てきて、実際に困った部分を全部盛り込んだという形ですけどね。 

てんかん児家族のニーズに応えてくれるOHANA 

ゆかち 講演パートは専門家の先生からお話を聞けるということですけども、私たちママからもリクエストで「こういうのを聞きたい!」とかいうリクエストできるんですか?  

清水 できます。アンケートも取っているので、「次のテーマはこういうことがいい」と書くこともできますし、われわれ世話人はそのアンケートを見てますので、「じゃあ次はこんなテーマに」みたいなことにもしていますよ。  

ゆかち 気になる方がいらっしゃったら、そこでアンケートにぜひ書いてほしいですね。 あと発作内容もたくさんあると思うんですけども、グループ分けとか自治会の指名の方とかもいつも清水先生が決めておられると聞いたんですが本当ですか?  

清水 そのとおりです。事前にママやパパたちに気になるテーマは「こんなことが聞きたい」、「この情報が取りたい」というのを事前に伺っているので、似たようなテーマの人たちを同じグループに入れて、そこにその質問に答えられそうなファシリテーターをこちらから任命して、そのテーマを中心にしゃべってもらうという形にしています。全然関心がないテーマのところに入れられるよりは、必要な情報をちょっとでも取って帰ってもらうというふうに工夫するように心がけています。

ゆかち 年齢もさまざまですか? 

清水 そうですね。生まれたての子たちはやっぱり治療のほうに一番興味があるだろうし、それから中学生や高校生たちはこれからどんなふうに就職していくのか、社会人としてどうするのか?みたいな部分に興味があると思うので、その2つが一緒のグループになったりはしないようには工夫してます。 

ゆかち さっきもお話しいただいたんですけども、インターネットで調べたり、ちょっと違う分野で調べてみたら、これが正しいのかどうかが分からなかったり、本当はてんかんのことを全く知らない人が書いてたり、間違った情報もたくさんあると思うので、そうやって一緒にてんかんと戦ってるママとパパから聞けるお話はすごい貴重ですよね。

清水 インターネットとかでも言葉足らずで、やっぱりママたちがテンパった状態でそれを見てしまうと逆にネガティブな情報にもなったりもするので、その辺も直接しゃべることによって誤解も解けたりすることを期待しています。 

それからその時に解決しなくても人間関係のつながりができれば後々追加で聞くこともできるし、道が見えればあとは自分で情報を取っていくこともできるので、むしろ正しい情報だけではなくて正しいルートというか、「こういうところでこうやって聞くんだよ」みたいな部分が伝えられたら、ママさん、パパさんたちも自分たちで歩いていけると思うので、そこを大事にしてます。 

ゆかち ありがとうございます。もうちょっとお話を聞きたいんですけども、あっという間に閉店のお時間が来てしまいました。まだまだ清水先生にはお話を十分に聞けてないので、次回のnanacaraラジオも引き続き清水先生にお話を聞いてまいりたいと思います。

清水先生、お話をどうもありがとうございました。次回もぜひよろしくお願いいたします。

 

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