今回のゲストは後半も引き続きnanacaraアプリを患者の皆さん、そしてご家族の皆さんと一緒に創っているノックオンザドア株式会社の林さんです。前半ではnanacaraアプリに携わるまでをお話しいただきましたが、後半はnanacaraアプリについて熱く熱く語っていただきたいと思います。
どうして、てんかんアプリをつくったの? ~運命の出会い~
妙佳 退職を決めた時点ではてんかんのアプリに携わることは決まってなかったということだったので、携わることになったきっかけを教えてください。
林 この話の前に、実はなくてはならない人物が一人おりまして「彼がつないでくれた」と言っても過言ではないですが、高山さんという者がおりまして、以前、僕がまだ前の会社で働いている時に外部研修の先生だった人です。面白いおじさんなので研修が終わった後もちょっと飲み行ったり、いろいろ相談したりした人です。
この人は製薬会社にいる人なんですけど、僕は会社を辞めて、「しばらく何しようかな?人に喜ばれることをしたいし、ヘルスケア医療に関わったからそっちで行こうかな。でも音楽もあるけどな」と思いながらいろいろ考えていた中で、その高山さんからある夜に電話がかかってきました。「林さん、林さんのやること見えましたよ。大阪に難病の方々のために本当に何とかしたい、アプリで何とかしたいと言っている先生がいるんです。ぜひ一緒に来週会いに行きませんか?来週までに資料を作ってくれませんか?」という電話かかってきたのが運命的な出会いです。
妙佳 これはいつぐらいですか?
林 2018年7月1日に大阪に行きます。
妙佳 ちょっとまってください、会社の設立は7月18日ですよね?その前の7月1日に大阪でこの何かが始まったんですか?
林 その1週間前に電話かかってきて何かが始まりました。
妙佳 すごい!
林 その何かが最初は正直分からなかったんです。電話かかってきて、高山さんから「そういうドクターがいるから会ってほしい。林さん、何でもいいから資料を作ってほしい」と言われただけでした。
妙佳 何も具体案がないところからどういうふうに?
林 要素だけがあったんです。「難病の方」がいて、「それを診ているドクター」が「アプリで何かをしてあげたい」、「生活を良くしてあげたい」、この要素だけをいただいて大喜利みたいな感じでした。そして大阪でしかも僕がプレゼンをすることになりました。
当初は難病の方のお母さんと聞いていたので、お子さまの暮らしの記録などをお母さんが知ることができて、お母さんとしては子どもがこういう成長しているとか、子どもがこういうことを感じていると知ることができるものを作ろうとしていたんです。そして患者さん同士のコミュニケーションが取れるということで紙芝居を作って持っていったのが7月1日です。
妙佳 母子のお役に立つものということでストーリーを作ってもっていったんですね。
林 新幹線の中で大阪に向かう時は「え?これは明らかに話を聞いてもらえるのかな?」と不安でした。
妙佳 その反応はいかがでしたか?
林 正直、その時の反応は今思い返せば、私はまだ相手の何の声も聞かずに、僕の意見だけを述べているだけなので、そこにいらっしゃった患者のご家族は「東京のIT企業がしゃしゃり出てきて何を言っとるんだ」と思われたと思います。岡﨑先生が考えていることをその場でいろいろ教えてくださって、その患者ご家族のストーリーも少しお話しくださって、やっぱりそこで思ったんですけど、聞いたらいろいろ我々も考えられるなと思って、そんな印象を受けましたね。
どうして、てんかんアプリをつくったの? ~nanacaraアプリができるまで~
妙佳 そこで初めて岡崎先生や患者さんご家族からいろいろお話をお伺いして、もっと具体的にこのnanacaraの開発に向けて動かれたと思うんですけれども、どういう流れでお話をもっと聞けるようになったんですか?
林 その帰り道に高山さんと2人で話して1個決めたことがあるんです。「ここは我々の考えではなくて、患者ご家族や先生の考えを聞きましょう。聞かないと何も始まりませんよね」ということで、そこからは何回も何回も先生のご紹介で患者ご家族に集まっていただいてお話を聞いたり、そういう方たちが集まる場に我々も行かせていただいたり、それをひたすら繰り返したという感じです。
妙佳 今回、ご紹介させていただく時に会社名だけでいいのかな?と私は思っていたんですけども、林さんから会社名の前に「nanacaraアプリを患者さん、そしてご家族の皆さんと一緒に創っている」というワードをあえて入れてくださった意味が今分かりました。
林 その通りです。
妙佳 その後、いろんな方からお話を聞いてnanacaraアプリの開発が進んでいったと思うんですが、始まってから2年弱ぐらいでスタートした感じですかね?
林 実はワークショップやインタビューで患者さんご家族と一緒にお話ししながら、骨格はだんだんできてきたんです。骨格をベースに我々も「こういうものを作りますよ」という話をしてきて、いよいよ2019年11月にアプリをリリースしようとしていたんですよ。いろんな声を聞いてきてこれはいけそうだなというものを準備しました。それでまた患者ご家族何人かに集まって携帯で実際に見てもらいました。
その反応がびっくりなんです。「うーん…何か違うな…」みたいな、患者ご家族から言われたのは「確かに言ってたことを入れてくれてるけど、これではみんな使わないんじゃないかな」と言われました。
妙佳 それはなぜ?
林 いろんなことができすぎたんです。
妙佳 多すぎたということですか?
林 そうです。多すぎて逆に使いづらいということでした。
妙佳 シンプルじゃなかったという感じですね。
林 これはITあるあるですけど、それに陥っていました。
妙佳 そこからまた再開発ですか?
林 その2019年11月リリースは完全にやめて、また意見を聞きながら作っていきました。
妙佳 2020年3月にスタートするまでは何回も繰り返しされた感じですか?
林 そうですね、もう一気にやっていきました。
nanacaraアプリのお問い合わせについて
妙佳 実際に使っているママさんからもちょっとお話を聞いて、まだ1年ぐらいなので使いこなせてないところがいっぱいあるみたいですけれども、もっとみんなが使いこなせていけるようになったらいいなというのはもちろん林さんが誰よりも思ってくださってると思うんですが、使い方とか、もし何か質問があったりした時は林さんに直接聞いたりしてもいいですか?
林 それは全然いいです。むしろそうしてくださる方も結構いらっしゃいます。僕のFacebookの個人アカウントでも、僕の個人LINE知っている方もいらっしゃるのでそういった方は直接来ていますし、nanacaraの公式のLINEやFacebookもあるのでそちらに寄せていただくこともできます。
妙佳 問い合わせをしたい場合のまず方法1としては何がありますか?
林 方法1としては、Facebook、Instagram、Twitterでnanacaraを検索していただく。
妙佳 nanacaraもう全てアルファベットで「nanacara」で検索すればいいですか?