
てんかんのある人がワクチンを打っても大丈夫なのでしょうか?

結論から言えば、現時点では100%自信をもって「大丈夫」とは言えないですし、誰しも副反応は起こりえます。しかし、新型コロナウイルスに罹患することによる症状のしんどさ・てんかん悪化の心配・周囲への影響などを考えた場合、ワクチンの副反応は許容できる程度に少ないと考えられています。
また、てんかん患者さんが特段に副反応が出やすい、ワクチンでてんかんが悪化するということは現時点でいわれていません。
詳しくは、以下に日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会から出されている見解を掲載しましたので、ご覧ください。
【参考】
■「小児における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状と感染対策についての見解」
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
2021年5月20日
<小児の新型コロナウイルス感染症の現状>
新型コロナウイルス感染症の流行第4波(2021年3月以降)では、COVID-19新規患者数が増加していますが、小児患者の割合はわずかな増加に留まっています。
子どもが変異新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)(以下、変異ウイルス)に感染した場合も多くが無症状から軽症で経過しています。
小児COVID-19患者の大部分は成人患者からの感染であり、第4波に入ってからも変化していません。
<学校等における感染対策>
基本的な感染対策(3密回避、適切なマスク着用、手洗いなど)の徹底が重要です。臨時休業は子どもの健やかな学びの保障や心身に影響をおよぼすため、地域一斉ではなく感染状況に応じた柔軟な対応が望まれます。
■「5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
2022年1月19日
感染状況とワクチンに関する知見と、ワクチン接種の考え方が記載されています。
ワクチン接種の考え方の要点
- 子どもをCOVID-19から守るためには、周囲の成人へのワクチン接種が重要
- 基礎疾患※のある子どもへのワクチン接種により、COVID-19の重症化を防ぐことが期待(本人の健康状況をよく把握している主治医と養育者との間で、接種後の体調管理等を事前に相談)
- 5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義がある
- 接種にあたっては、定期接種ワクチンと同様の方法で実施
※基礎疾患ですが、詳しくは小児科学会などのホームページをご参照ください。神経疾患・神経筋疾患では、脳性麻痺、難治性てんかん・神経疾患、染色体異常症、重症心身障害児・者、神経発達症(マスクの着用が困難である場合)が記載されています。また、医療的ケア児も記載されています。難治性てんかんが基礎疾患として記載されています。