
てんかんは遺伝しますか?

「てんかんは遺伝します」は不正確な情報です。
こどもにてんかんがある場合は、次のこどもにてんかんがでるかどうかなど、心配されることもあるかと思います。また、自分自身がてんかんの場合、こどもにてんかんが遺伝するのではないかと心配される方も少なくないのではと思います。
例えば親がてんかんの場合、こどもがてんかんとなる率はおよそ4-6%であるといわれています。多いと感じる方もいると思いますが、てんかんのある方が100人いれば、そのこどもの約95人はてんかんにならないことになります。おおむね「遺伝するてんかん」は多くはないといえます。
いろいろな検査で、てんかんの原因が確定している場合は、次のこどもやそのこどもなど遺伝する確率がより明確にわかる場合があります。
次のこどもがてんかんになる可能性は「ほぼ心配しなくてよい」場合から、「50%程度の心配がある」場合など様々ですので、心配がある場合は主治医の先生と相談されることをお薦めします。遺伝子(設計図)を調べる検査はてんかんの原因を調べるうえで大変有用であります。
特に乳幼児期に発症する(比較的)治療抵抗性のてんかんなどでは遺伝子検査で原因が特定できる場合もありますが、大部分のてんかんでは原因遺伝子を特定できません。