質問者

てんかんのお薬にはどのようなものがありますか?

ふくろう先生

2006年から毎年のように新しい抗てんかん発作薬(新規抗てんかん発作薬)が発売されました。それまでは、1つの薬が認可されるまで5-10年程度の時間を要しました。新規抗てんかん発作薬は従来薬に比べると、副作用が少ない、脳の作用部位がユニーク、などの特徴があり、従来薬に追加して使用する場合が多いです。今後もしばらく新薬の発売が続くようですので、薬の選択肢や組み合わせが増えていくことは、患者さんにとっては朗報だと思います。

てんかんのお薬には主に以下のような種類があります。

全般発作、焦点発作と広くてんかん発作に有効であり、第一選択として使用されることが多い薬です。低年齢での使用経験も豊富です。片頭痛をおさえるのにも効果があります。 

副作用として、時にアンモニア値の上昇、肝機能の低下、血小板の低下、などがみられるため、定期的な採血が必要です。妊娠可能年齢の女性では別の薬を優先したり、量を少なめにしたりしています。

焦点発作に有効であり、第一選択として使用されることが多い薬です。低年齢での使用経験も豊富です。神経痛を抑えたり、情緒面を安定させる効果もあります。発疹、眠気、肝機能の低下などがみられるため、定期的な採血が必要です。時に音階がわかりにくくなることがあります。

焦点発作と一部の全般発作に有効で他の薬と相互作用がなく、第一選択として使用されることが多い薬です。時に肝機能の低下がみられ、定期的な採血が必要です。イライラしたり、情緒が不安定になることがあります。

焦点発作、全般発作と幅広く有効です。錠剤しかないのですが、溶けやすく飲みやすい錠剤です。発疹・アレルギーの頻度が高めであり、注意が必要です。少量で開始し徐々に増量していくため、効果がでるまで1~2ヵ月かかります。情緒・気分を安定させる効果もあります。

 他にも、いろいろな内服薬があります。今回は初期治療の薬をあげました。「抗てんかん薬ポケットブック」(三島信行監修、日本てんかん協会が診断と治療社から出版:改訂第6版を2016年12月に出版)などを参照してください。

 ただし、内服薬の選択には、さまざまな要素があります。あくまで、主治医・担当医とよく相談しましょう。