急にピクッとした手足の動きがあります
こどもは、寝ているときや眠たい時に、急にピクッと動くことがあります。
時にそれは大きな動きであり、「けいれん」に見えることがありますが、生理的な動きです。これは「睡眠時ミオクローヌス」という、あかちゃんなどが寝ているときにピクッと動いてしまう動作で、てんかんではなく「不随意運動(無意識に勝手に動く動作)」の1つです。また生後3か月以内の赤ちゃんでは、「モロー反射」という反射がまだ残っている場合があります。
ただし、稀に「点頭てんかん(ウエスト症候群)」の場合があり、早く見つけて早く治療する必要があります。点頭てんかんの場合の症状は以下の特徴・動画を参考にしてください。
◆点頭てんかんの場合の動きの特徴
一般的には、眠っている様子のまま生じる、動作と動作の間隔がまちまちである、ピクッとする動作は極めて「一瞬」である、ピクっとする動作の際に体が反りかえるなどの場合は点頭発作(てんかん性スパズム)である可能性は低いと考えられています。
一方、点頭発作(てんかん性スパズム)では、眠たい状態の時に生じやすく、動作後に大きく泣いたりする、「しゃっくり」のようにある程度規則的な間隔で生じる、ピクっとする動作の際に頭や体が前傾する、などの特徴があります。気になる動作を動画にとっておくと、動作を詳しく振り返ることができたり、受診時に正しく情報を共有することができます。
動画撮影には、患者ご家族とてんかん専門医の声から生まれたアプリ
“nanacara” もぜひご活用ください。
点頭てんかん(ウエスト症候群)とはなんですか?
点頭てんかんとは、シリーズ形成性スパズム(ビクッとさせる動作を繰り返す:点頭発作)にヒプスアリスミアという特徴的な脳波所見を認め、しばしば発達が退行・停滞するてんかんです。
速やかな治療が必要で、抗てんかん薬(その組み合わせ)、ACTH治療、ケトン食治療、てんかん外科(手術)など、種々のてんかん治療を要することが少なくありません。
詳しい説明はWEPiLiの姉妹サイト「てんかんアドバンスド 点頭てんかん(ウエスト症候群)」に掲載しています。
※外科手術の詳細など専門的な内容が含まれます
病院を受診した方がいいですか?
このページの「急にピクッとした手足の動きがあります」で解説しているような、生理的な動きである「睡眠時ミオクローヌス」や「モロー反射」の場合は受診は必要ありませんが、「点頭てんかんの場合の動きの特徴」に該当しそうな場合は、てんかんの可能性があり検査や治療が必要になる可能性があるので、できるだけ早く、小児神経科へ紹介していただくことを前提とした小児科の受診をしてください。その際はできればその動きの動画を記録しておいてください。
▶参考:発作の記録方法
▶参考:専門外来の受診の仕方
てんかんの診断に関する内容はWEPiLiの姉妹サイト「はじめてのてんかん」にてご覧いただけます。