息を止めて泣いている男の子のイラスト

乳幼児(6カ月-6歳)によく起こります。激しく泣いて息をこらえ、全身を硬直させて首や背中を反り返らせて、チアノーゼ(体内の酸素が不足して皮膚や粘膜が青紫色になる)となり、その後、全身をがくがくさせるひきつけ(けいれん)を伴います。

また、急に顔面蒼白(体内の血流が不足して青白になる)になるパターンもあります。怒り・不満・痛みなどが誘因となります。

これらの症状を「泣き入りひきつけ・憤怒けいれん」と呼びます。

目次:
1.治療法について
2.発作時の対応
3.病院の受診について
4.後遺症について
5.予防について
6.泣き入りひきつけ・憤怒けいれんに関連するQ&A

治療法について

泣き入りひきつけ・憤怒けいれんの場合、基本的には治療する必要はありません。しかし頻度が多かったり、ひきつけ(けいれん)に至るような場合では、鉄剤や漢方(甘麦大棗湯など)が有効であったりします。

ことばなどで要求を自己表現できるようになると、泣く機会が減り、泣く時間が短くなることで、自然になくなることがほとんどです。基本的には後遺症を残すようなことはありません(極めて稀ですが、頻度が多い、けいれんが重積するなどの場合があります)。

発作時の対応

泣き入りひきつけ・憤怒けいれんの発作時も、熱性けいれんの時と同じように対応しましょう。

詳しくはけいれん時の対応をご覧ください。

けいれん時の対応
けいれん時の対応

「できればやっておきたいこと」と「絶対にしてはいけないこと」の二つに分けてご紹介します。1. 発作中にできればやっておきた…

病院の受診について

泣き入りひきつけ・憤怒けいれんの場合、基本的には救急受診をする必要はありません

しかし、頻度が多い場合は、治療が必要となる可能性がありますので、小児科の受診を検討してください。

また、極めてまれですが、けいれんが重積することがあります。5分以上経過してもけいれんが止まらないときは救急要請してください。できればその動きの動画を記録しておいてください。

▶参考:けいれん時の記録方法と動画撮影のポイント

後遺症について

泣き入りひきつけ・憤怒けいれんでは基本的には後遺症を残すようなことはありません(極めて稀ですが、頻度が多い、けいれんが重積するなどの場合があります)

予防について

「極力泣かさないようにする」「泣き出したら早めにあやす」などですが、乳児期から幼児期早期(赤ちゃん)は、「泣くのが仕事」と言われているぐらいですので、基本的には予防することは難しいです。

泣き入りひきつけ・憤怒けいれんに関連するQ&A

泣いた後の硬直が5分以上続く場合、脳への影響はあるか?

一般的に、息をとめ、全身を突っ張ってガクガクさせる発作が30分以上続くと、脳に後遺症が残る可能性があると言われています。

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