発達と日常生活での注意点

てんかんがあることで発達に影響はあるのでしょうか?

 てんかんのあるお子さんでは、発達を考慮した治療が大切です。

発達の診断には、大きく分けて、発達の遅れ(発達遅滞)と発達の偏り(発達障がい)があります。発達障がいには、自閉スペクトラム症、注意欠陥多動性障がい(ADHD)、学習障がいなどが含まれます。てんかんのお子さんでは、これらの診断を併せ持つことがあります。

一般的に、てんかんは100人中1人におこる疾患ですが、自閉スペクトラム症のお子さんでは、1538%にてんかんを合併するといわれています。また、てんかんがあると、多動症が5.7倍、衝動性が3.8倍になるという報告もあります。また、発達遅滞も100人に1人(1%)に見られる状態ですが、てんかんの人では1530%に見られます。このように、一部のてんかんの患者さんでは発達に影響があることが知られています。

てんかんが発達に影響する原因には、主に以下の4つがあります。

①てんかんの原因(基礎疾患):てんかんの原因には、生まれながらの脳の障害、頭部外傷、脳炎・脳症など様々なものがあります。これらは、てんかん発症の有無に関わらず、発達に影響することがあります。発達促進には、発達状態をチェックし、結果に合わせたちょうどよいリハビリテーション・刺激・学習を行うことが重要です。本人の状態に合わせて、リハビリテーションセンター、療育園、児童発達支援センターなどを利用するとよいでしょう。

②てんかん自体:てんかんの中には、ウエスト症候群やレノックス・ガストー症候群など、てんかん自体が発達に影響する「発達性てんかん性脳症」という一群があります。また、強い脳波異常が高頻度に見られたり、発作の回数が非常に多い場合には、脳の機能の一部が低下することもあります。様々な治療を組み合わせて、粘り強く治療を行っていくことが大切です。

➂お薬(抗てんかん薬)の副作用:薬の副作用で、眠気、ふらつき、気分の変容、衝動性、集中力や記憶力の低下、反応緩慢化などの症状がでることがあります。薬の調整で良くなることが多いので、新しい薬を始めた後や薬を増やした後に気になることがあれば、主治医に報告してください。

④過度の行動制限:発作を恐れて過度に児の行動を制限することで、子どもの成長・発達に必要な運動能力や社会生活能力が形成されにくくなったり、児の自我や自信が育ちにくくなったりすることがあります。「発作が抑制されてから」ではなく、「発作があっても」、どのように工夫すれば参加できるかという視点で考えることが重要です。

 

園や学校の先生にはてんかんのことを伝えておいた方がいいでしょうか?

園や学校にいる間、先生がお子さんの一番のサポーターです。お子さんのてんかんの症状について、できるだけ詳しく伝えるようにしましょう。先生方に、発作の誘因や起こりやすいタイミング・発作の症状・発作時の対処方法・発作後の状態・使用しているお薬やその副作用などについて詳しく知っていただくことで、危険を回避しながら学びの機会を得ることができます。学校と保護者だけで判断がつかないときは、主治医に相談してください。

発作時の対処方法に関連情報を記載していますので、ご参照下さい。

 

日常生活で気を付けることはありますか?

「万一の発作に備えること」と「発作を予防すること」が重要です。

万一の発作に備えよう!

しばらく発作がない方でも、急に発作が起こることがあります。それぞれの発作症状に合わせて「もしここで発作が起きたらどうなるか」ということを考えて行動することで、発作時にケガをしたり命に関わる事態になることを防ぐことができます。

例1:お風呂での注意
一人で入らない、鍵をかけない、時々外から声をかける、シャワーだけにする、入浴する場合はお湯の量を少なくする、転倒に備えてマットをひく、など

例2:避けたほうよいスポーツ
激しくぶつかり合うもの、スピードの速いもの、水中・高所で行うもの、など

例3:電車・信号待ちのとき
駅のホームの最前列、歩道の端に立たない、など

発作を予防しよう!

 疲労・睡眠不足・ストレスがたまることで、発作が起こりやすい状態となります。規則正しい生活をし、上手にストレス発散をしましょう。また、しばらく発作がない場合にも、薬は忘れず毎日飲みましょう。

その他

感冒時:基本的に飲んではいけない薬はありませんが、一部の抗生剤で内服中の抗てんかん薬の血中濃度が増減することがあるので、主治医に相談しましょう。
予防接種:コントロール良好な場合23か月発作がなければ接種可能です。それ以外でも、主治医と相談して積極的に接種しましょう。

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